快読日記!

こんな本を読みました。

2012-01-01から1年間の記事一覧

2012年の読みつ読まれつ

2012年に読んだ本の中からベストを考えてみました。 フィクション 「罪悪」 「犯罪」 フェルディナント・フォン・シーラッハ 「ソロモンの偽証」 宮部みゆき 「ゲイルズバーグの春を愛す」 ジャック・フィニイ 「妄想の森」 岸田今日子 「萩尾望都作品集 な…

「ソロモンの偽証 第Ⅲ部 法廷」宮部みゆき

《12/25読了 新潮社 2012年刊 【日本の小説】 みやべ・みゆき(1960~)》 展開がダイナミックで、読みながらダレるところが一つもありませんでした。 ちょっと長くなるとすぐ挫折するわたしをして、です。 さらにそこに現実感と説得力を与えているのが、無…

「アレグリアとは仕事はできない」津村記久子

《12/19読了 筑摩書房 2008年刊 【日本の小説 短編集】 つむら・きくこ(1978~)》 収録作品:アレグリアとは仕事はできない/地下鉄の叙事詩 アレグリアは気まぐれで怠慢、すぐに仕事を放棄し、1分働くと2分休む、男性社員には媚び、女が操作するとエラーを…

「ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意」宮部みゆき

《12/14読了 新潮社 2012年刊 【日本の小説】 みやべ・みゆき(1960~)》 作者が何を言いたいのかが徐々に見えてくるようで、ますます興奮します。 どういう発想からどういう取材を経て、どう組み上げていくとこんな話ができあがるんだろう。 想像がつきま…

「サブカル・スーパースター鬱伝」吉田豪

《12/6読了 2012年刊 徳間書店 【サブカル インタビュー】 よしだ・ごう(1970~)》 [吉田豪が話を聞いた人:リリー・フランキー/大槻ケンヂ/川勝正幸/杉作J太郎/菊池成孔/みうらじゅん/ECD/松尾スズキ/枡野浩一/唐沢俊一/香山リカ] サブカル男は40歳…

「橋本治という立ち止まり方」橋本治

《11/14読了 朝日新聞出版 2012年刊 【評論 時事 社会 エッセイ】 はしもと・おさむ(1948~)》 「一冊の本」2008年10月号から2012年4月号に連載されたエッセイを収録。 リーマンショック、政権交代、そして筆者自身の発病・闘病、さらに震災を経ての、この…

「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件」宮部みゆき

《12/2読了 新潮社 2012年刊 【日本の小説】 みやべ・みゆき(1960~)》 内容には触れませんが。 これは宮部みゆきの代表作になることまちがいなし。 主観(見る主体)が違えば見えるものが変わる。 一連のできごとに様々な主観が絡み、キュビズムみたいに…

「完本・美空ひばり」竹中労

《11/11読了 ちくま文庫 2005年刊 【ノンフィクション】 たけなか・ろう(1930~1991)》 評伝を読むのが大好きなんですが、たまにハズレを引くことがあります。 わたしにとってハズレだ!と思うのは、書き手の対象への思い入れが感じられないもの。 その上…

「俳優・亀岡拓次」戌井昭人

《10/23読了 フォイル 2011年刊 【日本の小説】 いぬい・あきと(1971~)》 俳優・亀岡拓次は、薄くなりかけた天パの髪のせいもあって老けてみられることも多いけど、 実はまだ30代らしいです。 いろんな映画やドラマにちょこちょこと出ています。 役柄は、…

「幸いは降る星のごとく」橋本治

《10/17読了 集英社 2012年刊 【日本の小説】 はしもと・おさむ(1948~)》 一昔前までの“女芸人”と言えば舞台の紅一点的存在で、美醜を問わず“女であることで居場所を得ている”というかんじ。 派手な色のスーツと厚化粧で“女枠”を確保する“女性議員”と同じ…

「考えない人」宮沢章夫

《10/12読了 新潮文庫 2012年刊(2010年に新潮社から刊行された単行本を文庫化) 【日本のエッセイ】 みやざわ・あきお(1956)~》 「考えない人」「無神経な人」「ぎりぎりの人」などに遭遇したときに、怒るとか説教するとかイライラするとかでなく、宮沢…

「困ってるひと」大野更紗

《10/7読了 ポプラ社 2011年刊 【手記】 おおの・さらさ(1984~)》 各種メディアで紹介されて大ヒット、絶賛生存中!の闘病記録。 彼女を襲った難病の名前は「筋膜炎脂肪織炎症候群」プラス「皮膚筋炎」。 自己免疫疾患なんですが、それがいったいどんな症…

「こけつまろびつ人生」玉川スミ

《10/6読了 善文社 1995年刊 【自叙伝】 たまがわ・すみ(1920~2012)》 先日92歳で亡くなった漫談家・玉川スミの自伝。 3歳で売られてから14人も親が代わった、という話は有名ですが、特に子供時代の苦労といったら想像を絶する過酷さでした。 スミちゃん…

「青春俳句大賞 龍谷大学第5回青春俳句大賞」龍谷大学 編著

《9/30読了 大阪書籍 2008年刊 【俳句】》 もう10年近く前の話。 職場で、同じ部屋の×さんが前日作った俳句(いつも十数句あった)を読んで、一番いいやつを選ぶ、というのが毎朝の習慣でした。 ひとつのモチーフを少し修正したりアレンジしたりしたものが2…

「短歌ください」穂村弘

《9/26読了 メディアファクトリー 2011年刊 【短歌】 ほむら・ひろし(1962~)》 雑誌「ダ・ヴィンチ」の読者投稿コーナー「短歌ください」の書籍化。 選者・穂村が「弟の家には本棚がない」(吉野朔実のエッセイ漫画)の中で「俳句は訓練がいるみたいです…

「小川洋子の偏愛短篇箱」小川洋子 編著

《9/22読了 河出文庫 2012年刊(2009年河出書房新社から刊行された単行本を文庫化) 【日本の小説 アンソロジー】 おがわ・ようこ(1962~)》 収録作品:「件」内田百ケン/「押し絵と旅する男」江戸川乱歩/「こおろぎ嬢」尾崎翠/「兎」金井美恵子/「風媒結…

「国語が子どもをダメにする」福嶋隆史

《9/21読了 中公新書ラクレ 2012年刊 【国語教育】 ふくしま・たかし(1972~)》 国語教育に論理性を求めている割には文章が感情的で、 本当の国語力を伸ばす!という割には「真逆(まぎゃく)」なんて言葉が何度も出てきたりして(「真逆」には「まさか」…

「松岡正剛の書棚-松丸本舗の挑戦」松岡正剛

《9/20読了 中央公論新社 2010年刊 【総記 書評】 まつおか・せいごう(1944~)》 最低2度は読める本。 まず次から次へと千本ノックのように飛んでくる本の紹介記事を読んだら、 始めに戻って5万冊の書棚(の、ほんの一部)を読む。 これは2009年秋に松岡…

「「ずぼら」人生論」ひろさちや

《9/16読了 三笠書房 2010年刊 【人生論】 ひろ・さちや(1936~)》 ひろさちやを読み始めて10年くらいたつかどうか、というあたりですが、膨大な数の著作を網羅するのはもちろん不可能。 それでも年に数冊、ぽつぽつ読んでいくと、やっぱり変化ってあるも…

「壁女 真夜中の都市伝説」松山ひろし

《9/12読了 イーストプレス 2004年刊 【怪談 都市伝説】 まつやま・ひろし》 便器の中から手が出てきて「カミをくれ~。……この髪だっ!」とか、 斧を持った男が隠れてる話とか、 エレベーターに「あと一人乗れる」話とか、 コインロッカーベイビーの「母親は…

「本が好き、悪口言うのはもっと好き」高島俊男

《9/8読了 大和書房 1995年刊 【日本のエッセイ】 たかしま・としお(1937~)》 例えば、「…が望まれる」という言いまわし、よくありますよね。 筆者は、ある新聞の「…との疑念が起きないよう、細心の配慮が望まれる。」との表現を取り上げて、 「この言い…

「その未来はどうなの?」橋本治

《9/5読了 集英社新書 2012年刊 【評論 社会】 はしもと・おさむ(1948~)》 タイトル通り、この国の未来はどうなの?という話。 「この本の目指す最良のゴールは、『そうか、そのようにわからなかったのか』で、もしかしたらそこにまで辿り着けないかもし…

「ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 孤立死を呼ぶ「セルフ・ネグレクト」の実態」岸 恵美子

《9/2読了 幻冬舎新書 2012年刊 【ノンフィクション】 きし・えみこ(1960~)》 最近報道を見ませんよね、ゴミ屋敷。 減っているのか、それとも日常になっているのか。 おそらく後者でしょう。 筆者は、看護師・保健師という立場からゴミ屋敷の問題に関わり…

「ヤクザと原発 福島第一潜入記」鈴木智彦

《8/26読了 文藝春秋 2011年刊 【ノンフィクション】 すずき・ともひこ(1966~)》 地域にひとたび原発が建つとなると、ヤクザは大活躍だそうです。 地主や漁協を説得し、地域の代表として電力会社やゼネコンと交渉し、地元の建設業に仕事を振り、選挙にな…

「「カルト宗教」取材したらこうだった」藤倉喜郎

《8/22読了 宝島社新書 2012年刊 【カルト】 ふじくら・よしろう(1974~)》 「あとがき」で筆者も述べているように、サイト(やや日刊カルト新聞)運営のための取材を通して得たカルト団体との交流エピソード集、というかんじ。 潜入ルポみたいなのを期待…

「吉里吉里人(上)」井上ひさし

《8/20読了 新潮文庫 1985年刊 【日本の小説】 いのうえ・ひさし(1934~2010)》 この夏休みの課題図書(自分で決めた)。 夏休みって、普段読まない長いやつに手を出したくなりませんか。 ある日突然、東北の一地方が「吉里吉里国」として日本からの分離独…

「今を生きるしあわせ」河野義行

《8/20読了 鳳書院 2012年刊 【手記】 こうの・よしゆき(1950~)》 松本サリン事件の容疑者と疑われた経緯を綴った「『疑惑』は晴れようとも」では、あのものすごい報道の裏に、こんな壮絶な事実があったということに驚き、もし自分が同じ状況に立たされた…

「自分の体で実験したい-命がけの科学者列伝」レスリー・デンディ/メル・ボーリング

《8/16読了 梶原あゆみ/訳 紀伊國屋書店 2007年刊 【自然科学】 Leslie Dendy/Mel Boring》 ときには命を賭けてまで、“自分の体で実験”した科学者や医学者の話。 「訳者あとがき」にまとめてある内容をもとにざっくり紹介すると、こんなかんじです。 1 人間…

「漢字と日本人」高島俊男

《8/5読了 文春新書 2001年刊 【漢字 日本語の表記】 たかしま・としお(1937~)》 “名門コーコーに合格したコーコー息子”と言えば無意識のうちに脳内で“高校・孝行”と変換しながら聞ける、 実は日本人というのはかなり高度なことをさらりとやってるんです…

「柔らかな犀の角 山努の読書日記」山努

《8/5読了 文藝春秋 2012年刊 【書評 随筆】 やまざき・つとむ(1936~)》 俳優の書評といえばまず児玉清が思い浮かびます。 鑑賞上手で博識で目利きの児玉本は、例えば陶磁器を見てじっくり味わい、評価し、その勘所をピタッと見据えているようで、批評は…